Вот э́тот челове́к бу́дет дра́ться.
Он силён я зна́ю.
- 直訳
- この人が戦うことになる。
彼は強い、それは知っている。 - 原作訳
- 戦うのはその男だけだ
その男が強いのは知っている - 試訳
- 戦うのはこの男だ。
こいつが強いのは知っている。
文法・読解メモ
вот э́тот челове́к は、「ほら、この人」「この人だ」と目の前の人物を指し示す表現です。вот が加わることで、単なる「この人」よりも指し示す感じが強くなります。
бу́дет дра́ться は、быть の未来形 бу́дет と、不完了体 дра́ться((身体的に)戦う)の不定形を組み合わせた合成未来形です。「戦うことになる」「戦うだろう」という意味になります。
原作訳の「その男だけだ」にあたる то́лько などの語はロシア語本文にはありません。「ひとり抜けた穴を、この男が埋めればよい」という場面の流れを含めて「だけだ」と訳したものと考えられます。
силён は、形容詞 си́льный(強い)の短語尾・男性単数形で、ここでは「彼は強い」という述語になっています。
形容詞の短語尾形は名詞を修飾せず、述語として用いられます。長語尾形が恒常的・一般的な性質を表すのに対して、短語尾形は一時的・状況的・相対的な性質を表すことがあります。
また、短語尾形は現代語ではやや書き言葉的・改まった響きを持つこともあります。
Он си́льный. と言えば、「彼は強い人だ」というように、その人物の性質を表す感じが強くなります。
この場面の Он силён. は、「この男は強い」と、その場で問題となっている強さを評価している表現です。
村人は、杉元がスチェンカに出られるだけの強さを持っていることを説明しているため、短語尾形の持つ状況的・相対的なニュアンスにも合っているように感じられます。
Он силён я зна́ю. は、まず Он силён.(彼は強い)と述べ、そのあとに Я зна́ю.(私は知っている)と付け加える形になっています。
英語の He is strong, I know. のようなイメージです。
「私は、彼が強いことを知っている」と従属節にする場合は、Я зна́ю, что он силён. のように что を用います。